恩師のお別れ会で感じたこと

BUSINESS

朝晩の空気に秋の深まりを感じる季節となりました。今回は私が心の中で大切いしている「ある出来事」についてです。

先日、私が社長業を学ぶ上で深くお世話になった、恩師とのお別れ会がありました。

長く経営の現場でご活躍され、多くの経営者に影響を与えてこられた方で、私にとってはまさに「社長業の師匠」と呼べる存在でした。社長という職責の厳しさ、孤独、やりがいと誇り、そうしたものを身をもって教えてくださった恩師のことを思うと、改めて身が引き締まる思いがします。

お別れ会の会場には、懐かしい顔ぶれがたくさん集まっていました。コロナ禍や世代交代の影響で、めっきりお会いする機会が減っていた、会長世代の大先輩方とも久しぶりに顔を合わせることが出来ました。昔ながらの空気と再会の笑顔。まるで時間が少し巻き戻ったような気がしました。

一方で、社長仲間の皆さんの活躍ぶりもとても印象的でした。それぞれのフィールドで、新しいビジネスを立ち上げたり、地域貢献に力を注いだりと、時代に合わせて前に進む姿には、私自信も大きな刺激を受けました。懐かしさと同時に「時代は確実に変わっているんだな・・・」と実感する時間でもありました。

そんな中で、私の記憶に強く残っているのは、やはり恩師との思い出です。あの頃、経営者といえば男性が中心。女性の後継者がようやく少しずつ現れはじめた時代でした。私もその一人として恩師の経営塾に参加し、学ばせていただいていました。

恩師はいつも、「かずえちゃん、かずえちゃん」と親しみを込めて声をかけてくださり、時にはさりげなく気にかけ、時には真正面から向き合ってくれる、そんな存在でした。
とりわけ、女性経営者に対しては、あたたかい眼差しで接してくださったことを、今でもよく覚えています。

そして、忘れられないのが、恩師が行きつけにしていたご飯屋さんでのひとときです。
仲間の経営者と何人かで食事に行く際、私はよく、恩師の隣の席に座らせてもらっていました。多くの経営者が「隣に座りたい」と思うような存在の恩師の横に、毎回のように座らせていただいていたことは、今思えば本当にありがたく、特別な経験でした。
食事をしながら、表には出ない経営のリアルな話や、人との付き合い方の奥深さ、時には冗談を交えながらも核心を突く教えを聞かせていただいた、あの時間は、私にとって何よりの“経営者の教科書”だったように思います。

もちろん、優しさの裏には、しっかりとした厳しさもありました。

経営判断の精度、数字への意識、社員や取引先との向き合い方――どれも妥協は許されず、あいまいな受け答えをすれば、すぐに見抜かれ、厳しい指導が入りました。

そんな恩師のお別れ会で、私は改めて自分がどれだけ多くのことを学ばせてもらったかを感じ、同時に、「今の自分は、果たして誰かの役に立てているだろうか」「次の世代に何かを残せているだろうか」と、自問する時間にもなりました。

経営の世界は、日々変化しています。技術もビジネスモデルも、あっという間に塗り替えられます。しかし、人を育てるという営み、誰かの背中を見て学ぶというプロセスは、きっと昔も今も、そしてこれからも変わらないのだと思います。

だからこそ、私も誰かの「きっかけ」になれるような存在になりたい。社員の皆さんにとって、安心して相談できる、でも甘えには厳しく向き合える、そんなリーダーでありたいと強く感じました。

これからも、会社の未来を見据えながら、一人ひとりの成長に寄り添える経営を目指していきます。

最後に皆さんに一つだけお伝えしたいことがあります。
どんなに忙しくても、人とのつながりを大切にしてください。
「また今度会おう」が、実現しないこともあります。だからこそ、今のご縁を大切に、感謝の気持ちを忘れずに日々を過ごしていきましょう。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。

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